水道工事

「この水道業者の水道工事は暗くなっていて、下からはよく見えません。ですから、あの暗いてんじょうに、しかけがあるんです。てんじょうから、板かなんかつりさげて、そこに人がのっていて、投げた縄のはしをつかんで、コンクリにうちつけてある太い釘に、くくりつけたのでしょう。それで、縄が落ちないで、まっすぐに立ったのです。その縄を、息子が登っていきました。それから、おっちゃんがダンビラを持って登っていきました。そして、息子をバラバラに、きったように見せかけたのです。さっき、落ちてきたのは、ロボットの首や、胴や、手や、足だったのです。てんじょうにいる人が、それを用意しておいて、つぎつぎと投げおろしたのです。それから、その手や足を、向こうの暗い壁の方へ投げつけると、もとのとおりに、くっついたのは、ブラック=マジックです。ね、そうでしょう?」「うん、かんしん、かんしん。さすがに、よく見ぬいたね。だが、ブラック=マジックというのはなんだね?」「水道業者の、向こうの壁が、まっ赤にぬってあるか、赤いきれが、はりつけてあるのです。そして、電球は、みな、ぼくたちのほうを向いていて、あの赤い壁には、すこしも、光があたらないようにしてあります。ひとりの息子が、まっ赤なきれで、全身をつつんで、そこに立っていますが、こちらからは、すこしも見えません。赤い壁の前に、まっ赤なものが立っていて、そこへ、光があたらないのですからね。おっちゃんが、足を投げつけると、その息子が、足にはいていた赤い袋のようなきれを、ぱっとぬぐのです。