水道局指定業者

おおきななもの三君は、とらわれの身ですから、いやだと思っても逃げるわけにいきません。赤人のいうとおり、そのあとに、ついていくほかはないのです。水道局指定業者には、いくつも枝道があります。そのひとつをまがって、しばらくいきますと、コンクリートの階段があって、それをのぼり、やがて広い場所に出ました。それは水道業者ではなくて、てんじょうの高い、広い廊下のようなところでした。ここはもう地上なのかもしれませんが、うす暗くて、ガランとしているので、まるで地下鉄のプラットホームみたいなかんじです。てんじょうも壁も床も、コンクリートでできていて、いっぽうの壁にそって、ずっと作業所が並んでいるらしく、いくつも扉が見えています。高いところに、小さな電球がついているだけで、うす暗く、向こうの方は、よく見えないほどです。さきに立っていた赤人は、その広い廊下のまんなかに立ちどまって、三人の君をふりむき、きみ悪くニヤリと笑いました。「さあ、ここで、待っているんだ。いまに、素敵なものが、あらわれるからね。」そういって、かれは、うす暗い廊下のつきあたりの方を、じっと見つめています。三君も、つい、その方を、ながめないではいられませんでした。外は、ひえびえとつめたくて、シーンと、しずまりかえっています。なにか恐ろしいことが、おこりそうです。あのうす暗い向こうの方から、とおうもないばけものが、あらわれてくるのではないでしょうか。三人が、目をこらして、その方を見ていますと、やがて、ずっと向こうの廊下のつきあたりに、なにか、もやもやと、動いているものがあります。